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受容体型チロシンキナーゼと癌

 我々は、アダプター/ドッキング分子FRS2ファミリー分子に注目しています。FRS2ファミリー分子は、FRS2alphaとFRS2betaの二分子からなり、FGFによりFGF受容体が活性化すると、チロシンリン酸化を受け、Ras/ERKパスウエイ、PI3キナーゼパスウエイなどを活性化します(図2-1)。

 FRS2alphaは、RETチロシンキナーゼによっても活性化します。FRS2alphaの活性化はRETの突然変異によって活性化した癌を悪性化へと進展させる主経路と考えられています(図2-2)。

 FRS2betaは、EGF受容体に結合することにより、EGF受容体チロシンキナーゼの活性化を抑制します(図2-3)。

 増殖因子であるEGFがEGF受容体に結合すると、細胞内でERKが核へ移行することにより、増殖シグナルがはいります。しかし、FRS2betaが発現すると、細胞内のERKが、細胞膜上でFRS2betaと結合するためにトラップされてしまい、ERKの核移行が抑制されます(図2-4)。それとともに、増殖シグナルが抑制されます。これがFRS2betaが癌抑制因子として機能するもうひとつのメカニズムです。このようにFRS2betaは、EGFのシグナル伝達をいくつかの段階で抑制します。

 FRS2betaは、新規バイオマーカー候補並びに分子標的候補です。

図2-1:FRS2ファミリー分子

図2-2:RET変異と癌化

図2-3:FRS2betaによる癌抑制作用

図2-4


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