平成元年 |
金沢大学医学部卒業、MD |
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同年 |
東京大学病院 第三内科にてレジデント |
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平成5年 |
東京大学大学院博士課程修了、PhD |
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同年 |
東京大学医科学研究所/助手 |
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平成10年 |
ヒューマンフロンティア財団奨学金を受け、ニューヨーク大学医学部にて Visiting scientist
帰国後、東京大学医科学研究所/講師を経て、同准教授。 |
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平成19年 |
システム生命医科学技術開発共同研究ユニットにて独立。 コニカミノルタテクノロジーセンターとの共同研究。 |
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平成24年 |
分子療法分野・がん分子標的研究グループ。 第一三共株式会社との共同研究。 |
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平成25年 |
金沢大学がん進展制御研究所/教授 |
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私達の研究グループでは現在、癌、幹細胞及び神経に注目しています。その分子機構の解明を目標に、分子生物学的手法を始め様々な手法を駆使してアプローチしています。さらに、現在萌芽期にあるシステム生物学的理論も組み合わせて挑戦しています。その中からシステム生命医科学なる新たな分野の創出も大きな目標のひとつにしています。
どうして癌という病気になるのか、幹細胞はどのようなしくみで体内に維持されているのか、神経細胞がホメオスタシスを保つしくみはどうなっているのか、分子レベルで解明します。
その基礎研究から得られる成果を軸に、癌の早期発見や個々の患者に最適な治療法を選択するための診断マーカー候補の探索、そして新しい抗がん剤開発のための新たな分子標的の探索を行う、トランスレーショナルリサーチを視野に入れた研究へと展開します。さらに、幹細胞を用いた再生医療の可能性についても取り組みます。
病的状態である癌や、生理的現象である個体発生や幹細胞の維持という生命現象を動かしている主役の分子群のひとつが、受容体型チロシンキナーゼである、FGF受容体やEGF受容体です。ヒトを始めとする個体内では、これらの受容体を介するシグナル伝達が、他のシグナル伝達系と様々にクロストークしながらそれぞれの生命現象に関わっています。その分子機構は、まだまだわかっておらず、多くのブレークスルーとなる研究成果を期待することができます。私達は、この受容体型チロシンキナーゼのシグナル伝達にまず注目しています。
私は内科医として、多くの癌患者様を診ましたが、約20年前は癌の原因がおぼろげながらわかってきたばかりで、なかなか良い治療法がありませんでした。癌の原因をつきとめれば癌が治せると思い、研究を始めまして今に至ります。
今は、分子生物学の発展の結果、生命現象がとても複雑であることがわかってきています。そこで、数学の研究者とともに研究を行い、数学の理論を取り入れることも大事と考えています。
研究を通して、生命の仕組みを発見することはとても楽しいものです。当研究室では、若い方にその楽しさを存分に味わっていただける環境作りをしています。そのために、興味ある研究を、主体的に自由に行ってもらえるよう環境を整えています。
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